日本の七十二候 温風至(あつかぜいたる)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

小暑 初候

あたたかい南風が吹くころ。温風と聞くと、どうしても暖房器具などの風を思い浮かべてしまうが、本来はあたたかい南風のことをさし、夏の季語にもなってある、その温風も、梅雨の時期にしたがって、呼び名が変わる。梅雨入りのころは「黒南風(くろはえ)」、中ごろは「荒南風(あらはえ)」、梅雨明けのころは「白南風(しらはえ)」と呼び分けていた。繊細な感性は、風にも色を感じることができた。なんと優雅なことだろう。(新暦7月7~11日ころ)