京の旬感

寄稿18 比良八講(ひらはっこう)、荒れじまい

寄稿者:橋本繁美関西では「奈良のお水取り」終わらないと、春は本格的に暖かくならないといわれる。奈良県の東大寺二月堂では、毎年、3月1日から14日まで修二会(しゅにえ)がおこなわれる。修二会は人々に代わって罪を懺悔し、天下泰平や五穀豊穣を祈る...
男と着物 - 回想録 -

13 着物屋だから着物を着た?

投稿者:ウエダテツヤ​2001~2006年、着物小売店で働かせてもらっていたが、その頃は着物屋の店員でスーツは珍しくなかった。今もスーツで接客される着物屋は一定数あるように思う。確かに洋服の方が動きやすかったり、お店の考えもあるのかもしれな...
旧暦のある暮らし

二十四節気 啓蟄(けいちつ) 新暦3月6日頃

寄稿者:橋本繁美寒い冬を地中で過ごしていた虫たちが、そろそろお目覚めの頃。「啓」は戸をひらく、「蟄」はすごもり。暖かい春の陽気に誘われて、土の中にとじこもっていた虫たちが冬眠から目覚めることを表わした言葉です。これは虫に限らず、人間も同じで...
枡儀のいろは

寄稿17 手づくりマスクのぬくもり

寄稿者:橋本繁美ある人から、宅急便で小包が届いた。開けてみると、特産物の果実と手づくりのジャム、さらには「手づくりのマスクと手紙」が添えられていた。最近、連絡もとれていないだけに、恐縮するばかりで感謝のしようがなかった。感激とともに、筆不精...
男と着物 - 回想録 -

12 単衣で失敗

投稿者:ウエダテツヤ2003年頃。小売店で働くある日、先輩が安くてよく分からないアンサンブルを見つけた。アンサンブルは着物と羽織が同じ生地で仕立てる前は一つに繋がっていることが多い。反物よりはずっと長いが、疋物(二反分の長さ)ほどはなく、昭...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿16_2 光の春。春はハル -ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美光の春。2月は「光の春」。昼間の時間は冬至(12月22日)の後、少しずつ長くなってきたが、2月になるとどんなに寒くても、晴れた日の空の明るさに、人は春を感じると、気象予報官の倉嶋厚さんは『風の色・四季の色』(丸善)で語ってい...
京の旬感

寄稿16_1 梅の花。

寄稿者:橋本繁美東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)おなじみのこの歌は、菅原道真が無実の罪を着せられて太宰府へ左遷される前に、だいじにしていた梅の木を前にして詠んだ作品。現代語訳「春風が吹いたら、匂いを(京から...
男と着物 - 回想録 -

11 反物幅と買い物

投稿者:ウエダテツヤ​​​私が小売店で勤務した2001年頃、そのお店の取扱品目の関係もあって、幅の広い反物や角帯、男物の小​​物類などは周りであまり見かけなかった。勤務した店で稀にお客様から問い合わせがあると、注文品として店に取り寄せて対応...
旧暦のある暮らし

二十四節気 雨水(うすい) 新暦2月19日頃

寄稿者:橋本繁美「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」『暦便覧』より空から降るものが雪から雨へと変わり、深く降り積もった雪も解けはじめる。その水分で枯れていた土が潤いを取り戻し、草木がよみがえりはじめる頃という意味。実際には、まだ雪深...
京の旬感

寄稿15 京の冬のたのしさ。

寄稿者:橋本繁美三条大橋寒い日ほど、しゃんと背をのばして、三条の大橋を渡る。比叡の山から吹きおろした川風は、思わず足を早めたいほど冷たいけれど、60歳を過ぎたら、このきびしさが好きになった。まあ、寒さとも仲良ういたしまひょ。 そんな晩にはか...