旧暦のある暮らし

二十四節気 清明(せいめい) 新暦4月5日頃

寄稿者:橋本繁美 「清浄明潔」という言葉があります。すべてのものが清らかで、生き生きしているという意味。このことばを略したのが「清明」です。若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、生命が輝く。心まで気持ちよく澄みわたる季節です。
京の旬感

寄稿21 さくら咲いてはる・エイプリルフール

寄稿者:橋本繁美 ことしは例年よりも、10日もはやく開花した京の桜。王朝の栄華をしのばせる京都御苑の左近の桜、円山公園のみごとな枝垂れ桜、御室仁和寺の桜など、京都には桜の見どころが実に多い。まさに、あちこちの桜が咲いて「都ぞ錦なり」。心まで...
男と着物 - 回想録 -

16 私の着物は日用品感覚だったお話

投稿者:ウエダテツヤ ​着物小売店に入社し、着物を少しずつ着るようになった私。段々慣れてくると人の着ているものが気になり始める。出張などで他店の店員さんを見かけると、何を着ているのだろうとジロジロ見ていた。ジロジロ見ていると接客業のくせにボ...
京の旬感

寄稿20 「春雨じゃ、濡れてまいろう」

寄稿者:橋本繁美 春を連れてくる雨。これは行友李風 (ゆきともりふう) 作の新国劇『月形半平太 (つきがたはんぺいた) 』の京都・三条河原町で、主人公が傘を差し掛ける舞妓にいう有名な一節。小雨の中を傘なしで歩くときに、気どった言葉として使う...
男と着物 - 回想録 -

15 しばらく結んでやめた片ばさみ

投稿者:ウエダテツヤ ​片ばさみを教えてもらった私。(14 片ばさみを目撃する参照)なんと簡単な結び方かと驚きつつ、正直なところしっかり止まるのだろうかという疑心もあった。けれど当時きもの駆け出しの私にしては「周りで見かけない結び方」という...
旧暦のある暮らし

二十四節気 春分(しゅんぶん) 新暦3月21日頃

寄稿者:橋本繁美 「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、寒く長かった冬ともようやくお別れ。一年で最も気候のよい時期を迎える。昼と夜の長さがほぼ等しくなり、昼夜の時間は逆転する春分の日。1948年「自然をたたえ、生物をいつくしむ」として制定...
京の旬感

寄稿19 京は「ぼた餅」

寄稿者:橋本繁美 春のお彼岸が近づくと「ぼた餅」が店頭に並ぶ。一般的に、春は牡丹が咲く頃なので「ぼた餅」、秋は萩の花で「おはぎ」といわれる。個人的に、京都寺町にある菓子舗・仙太郎さんの「ぼた餅」が好きだ。以前にもらったこの店の冊子(著者:直...
男と着物 - 回想録 -

14 片ばさみを目撃する

投稿者:ウエダテツヤ 片ばさみという結び方を目撃したのは確か2002年頃である。当時の上司(『片ばさみ上司』と呼ぶ)が展示会で着ているのを見て、なんだこの結び方は?と思った。 それまでは貝ノ口一辺倒であった。というかそれしか知らない。角帯の...
京の旬感

寄稿18 比良八講(ひらはっこう)、荒れじまい

寄稿者:橋本繁美 関西では「奈良のお水取り」終わらないと、春は本格的に暖かくならないといわれる。奈良県の東大寺二月堂では、毎年、3月1日から14日まで修二会(しゅにえ)がおこなわれる。修二会は人々に代わって罪を懺悔し、天下泰平や五穀豊穣を祈...
男と着物 - 回想録 -

13 着物屋だから着物を着た?

投稿者:ウエダテツヤ​ 2001~2006年、着物小売店で働かせてもらっていたが、その頃は着物屋の店員でスーツは珍しくなかった。今もスーツで接客される着物屋は一定数あるように思う。確かに洋服の方が動きやすかったり、お店の考えもあるのかもしれ...