寄稿者:橋本繁美
本年もどうかよろしくお願いします。
ものみな 新たに 清々しい
一陽来復の初春。瑞祥の日の丸、鶴亀、松竹梅、金銀、紅白と年のはじめを寿ぐ意味で、晴れやかで、おめでたいものづくし。日本人にとって、元旦には特別な意味があります。すべてが、新たに一から始まるという日で、この世にあるものは、みな新しい生命をもち、生まれ変わるという古い信仰に基づいています。一年間、私たちの生活を見守り、ご利益をくださる、ことしの歳神さまが家々に来られるのです。ありがたい神さまをお迎えするために、門の脇に門松を、戸口には注連縄を飾ります。門松は松竹梅、注連縄には橙や昆布、稲穂などの縁起物で美しく飾り、そして、神棚や床の間など、家のなかを清浄な飾り物や縁起物で美しくしつらえます。歳神さまに対する日本人の心の表れ。元旦には、ものみな新たに、清々しく生まれ変わる日なのです。
感謝 開運 幸せ祈願
ことしもまた新しい年を迎えられたことを神さまに感謝すると同時に、一年の幸せを願って初詣に出かけます。社寺でうけるお祓いは、体や心の罪や厄落とし、健康な魂をよみがえらせるための儀式です。また、社寺から授かるお守りやお札は、ことしの厄や悪いことの身代わりとなってくださる神さま自身と、古くから信じられています。また、元旦から七日までの間に、七福神にお詣りすると開運が得られるといわれ、各地で七福神めぐりが盛んにおこなわれます。
一日の夜の初夢には、縁起のいい夢をみようと、宝船に乗った七福神の色紙を床の間に掛けたり、枕の下に入れたりして、眠る習慣もあります。七福神とは、恵比寿(夷)、大黒天、布袋、福禄寿、毘沙門天、弁才天(弁財天)、寿老人をいいますが、七人の神さまたちは、金銀財宝の積まれた宝船に乗って、海の向こうから訪れてくるとか。このように日本の正月は、縁起物や縁起をかつぐ行事で満ち満ちています。みなさまにとって、この一年、幸福が訪れますように。