寄稿者:橋本繁美
光の春。
2月は「光の春」。昼間の時間は冬至(12月22日)の後、少しずつ長くなってきたが、2月になるとどんなに寒くても、晴れた日の空の明るさに、人は春を感じると、気象予報官の倉嶋厚さんは『風の色・四季の色』(丸善)で語っている。最近、京都市内ではあまり雪を見ることが少なくなったが、太陽の紫外線が強まり、雪に反射する光はまぶしい。そういえば、昔スキー場でゴーグルの跡が残るほど「雪焼け」を想い出す。この冬は、北の国では大雪のため、高速道路で多くのクルマが立往生したり、次々とクルマを巻き込む事故のニュースがよく流れていた。雪と白い光が満ちてすべてのものが、判別がつかなくなり、方向感覚をも失うというホワイトアウト(whiteout)という言葉をよく耳にした。
春はハル。
草木が芽吹き、花が咲き、鳥がさえずると、自然と顔がほころびます。春の語源は、万物がハル(発)、草木の芽がハル(張)、畑をハル(墾)などといわれる。英語のスプリングには、「バネ」「弾力」「泉」「一躍…する」などの意味もあり、春は自然界で新しい命が動き始め、農耕が開始される季節なのだ。春という季節は、何かと見つけるよろこびに満ちている。草木が芽吹き、花が咲き、鳥がさえずる。自然と顔が、心がほころぶ春。