寄稿142 塩小路通と木津屋橋通/ 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀

塩小路通といえば、京都駅北口を出た最初の東西道路。目のまえにはローソクタワー(京都タワー)が今やランドマークになっている。かつては近鉄百貨店(旧丸物百貨店)で賑わったところあたり。ホテルグランヴィア京都、京都中央郵便局や関西電力、京都新阪急ホテル、法華俱楽部など昔からの建物が目に入る。

その塩小路通の東側が、いま大きく変わろうとしている。京都市立芸術大学がこの秋、沓掛(西京区)から引っ越してくるからだ。昔あった皮革店や靴屋さんは姿を消し、何か新しい街として生まれ変わろうとしている。

さて、木津屋橋通(きづやばしどおり)。平安京の塩小路通にあたると資料にある。江戸時代に生酢(きず)を商う家が多かったため生酢屋橋(きずやばし)だったとか。大宮にある梅小路公園、水族館や京都鉄道博物館などが新しい観光スポットとなっている。知らず知らずのうちに歩いている可能性は高いと思う。

想いおこせば、京都タワーやいまの京都駅ができるとき、諸先輩方の建築家やデザイナーたちが京都のデザインの在り方、景観論など喧々諤々していたのを思い出す。時が経てば当たり前の風景になっていくのか。そういえば、芸大も昔は東山にあったな。何もかもが遠い昔話。