寄稿者:橋本繁美
女郎花色(おみなえしいろ)
秋の七草のひとつに数えられる女郎花の花のように、明るい緑みの黄色。また襲の色目に「女郎花」がある。女郎花は「思い出草」ともいわれ、万葉の時代から多くの歌に詠まれている。「女郎(じょろ)」が令夫人の敬称だったことから、女性にたとえられる花で、たおやかな気品や優美さを感じさせる。
C16 M9 Y82 K0
海松茶(みるちゃ)
茶色を帯びた深い緑。海の浅瀬の岩に生える海藻の海松(みる)のような暗い色をさす。古くから「みるめ」「みるな」「みるぶさ」と呼ばれ、食用として採取されていて、『万葉集』にその名が見られる。海松色は近世の庶民文化でとくに愛好された古典色名で落ち着いた色だけに流行した。
C68 M59 Y75 K22