寄稿者:橋本繁美
鳥の子色(とりのこいろ)
鳥の卵の殻のような、赤みがかった淡い黄色のこと。鎌倉時代からみられる伝統色で、色名の「鳥の子」とは、鶏の雛ではなく、卵をさし、その殻の色に由来する。また、上質な和紙の原料である雁皮を漉いた厚手の紙を「鳥の子紙」といい、クリーム色に近い黄色をいう。昔から版画紙にもよく使われている。厳密にいえば異なる色相。
C14 M20 Y39 K0
玉蜀黍色(とうもろこしいろ)
トウモロコシの実の色のような温かみのある浅い黄色をいう。別名「もろこしいろ」とも呼ばれ、江戸中期の風俗誌によれば、安永・天明(1772~1789)の頃に流行したようだ。トウモロコシはイネ科の一年草で南アメリカ原産。インディオの主要な植物で、日本には天正7年(1579)にポルトガル人によって長崎に持たされた。本格的に栽培されるようになったのは明治時代に入ってから、北海道を中心に育てられた。
C4 M29 Y71 K0