露草色(つゆくさいろ)/桔梗色(ききょういろ)

日本の色を愉しむ寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

露草色(つゆくさいろ)

夏の早朝に咲く露草の小さな花の青色。露草はツユクサ科の一年草で、日本各地に群生する。露草の花や葉の汁で布を摺染したことから、古名を「付草」「ツキクサ」といい、「着草」「月草」「鴨頭草」とも呼ばれる。万葉以前は摺染に、その後は脱色が簡単なことから、友禅や紋染の下絵に現在も用いられる。

C73 M20 Y0 K0

桔梗色(ききょういろ)

桔梗の冴えた青紫色。青紫系の色には花の色からきた色名が昔から多く、「菖蒲色」「杜若色」「竜胆色」「菫色」などがある。古くは「きかういろ」「きちかう」ともいわれ、平安朝の頃より愛されてきた色名。また、縹色の冴えた色という意味から「桔梗花色」という呼び方も桔梗色と同じように用いられた。「紫のふっとふくらむ桔梗かな」(正岡子規)

C75 M75 Y10 K0