雪色(せっしょく)/銀白色(ぎんはくしょく)

日本の色を愉しむ寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

雪色(せっしょく)

冬の色といえば、しんしんと降り積もる真っ白な雪の色。鉛色の空をバックに舞う雪の白は単純な白ではなく、紫や紅みがかったさまざまな色に見える。「雪は天からの手紙」といったのは、世界ではじめて雪の結晶を人工的に作ることに成功した中谷宇吉郎博士。雪は結晶が六角形ということから「六花(むつのはな)」という呼び名がある。そういえば、そんな有名な銘菓もあるなと感心する。雪のある風景はいいなと思っていても、北国の方では降り積もる大雪でそんなことはいっていられない。

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銀白色(ぎんはくしょく)

張り詰めたような寒い日に、空からはらりと舞い降りてくる雪は心にはあたたかい、そんな気がする。雪が積もれば、そこは一面、銀世界。スキー場までとはいわないが、見慣れた光景が変貌する。思わず足跡をつけたくなったり、小さくても可愛い雪だるまをこしらえたり。そんな童心に帰させてくれる雪は、いくつになってもまぶしい存在だ。銀白色の銀は、見る角度によって、いぶし銀のような深い灰色から、真っ白な「しろがね」色にも見える。

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