鬱金色(うこんいろ)/蜜柑色(みかんいろ)

日本の色を愉しむ寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

鬱金色(うこんいろ)

鬱金は、薬用とか、食用の沢庵漬けやカレー粉の着色にも用いられている。鬱金色は熱帯アジア産のショウガ科の鬱金の根によって染められた赤みを帯びた黄色。鬱金が日本に伝わったのは奈良時代だが、色として注目を浴びるようになったのは江戸時代の前期。当時は派手な色が好まれ着物の色としても大人気に。さらに色名に「金」が付くところから縁起がいいと、風呂敷などに使われてきたそうだ。また、鬱金には抗菌や防虫効果もあるため、産着や肌着に用いられた。

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蜜柑色(みかんいろ)

日本人にとって冬ともなれば、炬燵や食卓の上にミカンが定番。甘味と酸味のバランスが絶妙のミカンは美味しいうえに、ビタミンやミネラルといった栄養素も豊富に含まれているので一石二鳥。元気で明るいイメージの蜜柑色の由来は、江戸初期に偶然できた温州(うんしゅう)蜜柑という種類のミカン。現代の日本では一般的なミカン。蜜柑色は、ミカン果皮のような鮮やかな黄赤色で、安心感をもたらす暖色。

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