寄稿記事-ことばの遊園地-

京を歩く

寄稿115 古い西洋建築が残る三条界隈 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美三条烏丸のみずほ銀行から西に向かうと、1555年の創業以来、美を創造し続けてきた千總本店がある。ギャラリーは、千總の所蔵する作品の数々をはじめ、伝統と創造、工芸の未来といった美が展示されている。その敷地には三条烏丸御所跡の石...
日本の色を愉しむ

東雲色(しののめいろ)/桃色(ももいろ)

寄稿者:橋本繁美東雲色(しののめいろ)春はあけぼの やうやう白くなりゆく山際 少し明かりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる  『枕草子』清少納言春は夜がほのぼのと明けようとする頃がよい。日が昇るにつれ、だんだんと白んでいく、山際の辺りがいく...
京を歩く

寄稿114 古い西洋建築が残る三条界隈 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美若い頃は、三条通はあまり歩かなかった。いや、その魅力を知らなかったからだろう。新京極や寺町京極の突き当りが三条通だ。昭和63年(1968)10月、三条通高倉に京都府文化博物館(文博)ができた。私の師匠、今西慧(コピーライター...
京を歩く

寄稿113 何かと愉しい三条通 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美昔から京都には橋がないといわれる。三条大橋や四条大橋があるのになぜか。その答えは、橋を「ばし」と濁らず「はし」と読むのが正しい。お隣の大阪はほとんどが「ばし」とか。ま、そんな話はさておき、三条大橋(さんじょうおおはし)の手前...
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白梅鼠(しらうめねずみ)/若草色(わかくさいろ)

寄稿者:橋本繁美白梅鼠(しらうめねずみ)白梅を思わせる微かに紅みのある淡い灰色。江戸時代は、茶色とともに鼠色が濫用された時代であり、灰色という色名よりも鼠色のほうが広く用いられた。灰白色と同じ表現でも、鼠を使えばもっと簡単に白鼠となり、薄墨...
京を歩く

寄稿112 円町って響きがいい / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美中京区西ノ京円町にJR円町駅は、平成12年(2000)の秋に複線化とともにできた山陰本線(最近では「嵯峨野線」の愛称で呼ばれている)の駅。目の前には大型電気チェーン店があり、丸太町通を西に行けば花園、妙心寺の方につながる。地...
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紅梅色(こうばいいろ)/猩々緋(しょうじょうひ)

寄稿者:橋本繁美紅梅色(こうばいいろ)梅の鮮やかな紅色。奈良時代以前は、花といえばその多くは梅をあらわしており、万葉の時代は梅の花は桜より好まれた。おなじみの『万葉集』に納められた120首ほどの梅の歌はいずれも白梅。その頃はまだ紅梅はなく、...
京を歩く

寄稿111 「さいいん」か「さい」か / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美西院の駅といえば、阪急京都本線と京福電気鉄道嵐山本線の2路線が乗り入れている関係でふたつある。ただ、その呼び名が阪急は西院(さいいん)と、京福は西院(さい)となっており、実に紛らわしい。ここは平安時代、淳和天皇の離宮である南...
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韓紅(からくれない)/梅重(うめかさね)

寄稿者:橋本繁美韓紅(からくれない)ひときわ鮮やかな濃い赤色。紅花(べにばな)エジプトやエチオピアあたりが原産地とされているキク科の植物。はるか昔、シルクロードを渡ってアジアにもたらされた紅花の由来を 「舶来」の意味と、深紅の美しさを強調し...
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寄稿110 西大路七条から西院 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美若いときに勤めていたデザイン会社が、西大路七条通と花屋町通のまんなかにあった。百貨店や大手スーパーチェーンの販促企画、広告印刷物を一手に引き受ける企業で、いまではそれらの業界は大手イオン一色となってしまったが、当時は、ニチイ...