奄美探訪記と大島紬 寄稿49 奄美の島唄・アシビ
寄稿者：橋本繁美初めて奄美で島唄に出会ったとき、高音の裏声は哀感が漂い、聴く者の心を強く激しく揺さぶった。歌詞はわからないのに胸に大きく響いたのを覚えている。神谷裕司著『奄美、もっと知りたい』（南方新社）の「島唄と新民謡」のなかで、明るい曲...
寄稿記事-ことばの遊園地-
奄美探訪記と大島紬 
寄稿記事-ことばの遊園地- 寄稿49_s 釣瓶落し（つるべおとし）
寄稿者：橋本繁美「秋の日は釣瓶落し」とは、秋の日が急速に暮れるさまをいう。釣瓶は、井戸水を汲むために吊り下げられた桶のこと。その釣瓶が井戸の中に滑り落ちるように、秋の日はあっという間に暮れる状況をさす。「春の日は暮れそうで暮れぬ、秋の日は暮...
奄美探訪記と大島紬 寄稿48 奄美の島唄・中村瑞希
寄稿者：橋本繁美奄美に来るまで、島唄を直接、聴く機会はなかった。最初、宴席で盛り上がると、三線を引きながら島唄が出て、その唄によってまわりは踊りだすという光景を目にしたとき、奄美には独自の素晴らしい島唄があることを知った。その島唄の歌い方も...
寄稿記事-ことばの遊園地- 寄稿48_s 「旦那（だんな）」
寄稿者：橋本繁美先日、名人、六代目三遊亭圓生の古典落語『百年目』を聴いていて、「だんな」のいわれがあったのでぜひとも紹介したい。南天竺に栴檀（せんだん）という大きな木がある。その下に南縁草という汚い草が生えていた。みっともないというので、そ...
旧暦のある暮らし 二十四節気 霜降（そうこう） 新暦10月24日頃
寄稿者：橋本繁美日々、深まっていく秋、朝霜が見られる頃。朝晩の冷え込みが厳しくなり、かすかな冬の到来を予感させる。さらに日が短くなっていくように感じるのは私だけではないはず。初霜の知らせが聞かれるのも大体この頃で、山々は紅葉に染まる。あざや...
奄美探訪記と大島紬 寄稿47 奄美の島唄・元ちとせ
寄稿者：橋本繁美「その声は、百年にひとり。」というキャッチフレーズとともに鳴り物入りで登場した元（はじめ）ちとせさん。彼女が『ワダツミの木』でメジャーデビューして間もない頃。奄美大島瀬戸内町出身の彼女は、島唄で育ったといわれるだけに、地元で...
寄稿記事-ことばの遊園地- 寄稿46 晩秋小夜曲（ばんしゅうセレナーデ）
寄稿者：橋本繁美♪さみしさのつれづれに 手紙をしたためています あなたに…（『心もよう』井上陽水）。「晩秋」と聞けば、寂しさをそそることば。それにしても、すっかり日が暮れるのがはやくなった今日この頃。ふとした瞬間に、せつない気持ちになったり...
奄美探訪記と大島紬 寄稿45 奄美の島唄
寄稿者：橋本繁美奄美大島ではじめて「島唄」を生で聴いたとき、躰の芯から震えるものを感じた。歓迎会の酒席の場で、初めて見る三線（さんしん）と呼ばれる楽器を手に、グイン（地声から裏声と変わる瞬間的なこぶしの一種）とよばれる独特の歌唱法が心を掴む...
旧暦のある暮らし 二十四節気 寒露（かんろ） 新暦10月9日頃
寄稿者：橋本繁美寒露とは、晩夏から初秋にかけて草木に冷たい露が降りること。秋の長雨が終わり、空気が澄み切って清々しい秋の空が続く。この頃になると、朝晩だけでなく、昼間でもひやっとした空気が感じられるようになるが、現代の感覚では、暑くもなく寒...
寄稿記事-ことばの遊園地- 寄稿45_s 秋は夕暮れ・萩（はぎ）
寄稿者：橋本繁美秋は夕暮れ清少納言は枕草子の冒頭で「秋は夕暮れ―――日入りはてて、風の音、虫の音、はたいふべきにあらず」と喝破しているように、秋は台風の風の音と、虫の音楽で始まり、極まるといわれる。秋の夜、虫の音といえば、鈴虫（すずむし）や...