寄稿者:橋本繁美
水色・水縹(みずいろ・みはなだ)
雪解け水、やわらかな春雨、陽光を反射する海。春は美しい水で満ちあふれている。古くから親しまれた色で、清冽でさわやかな印象がある。『万葉集』巻十六に「水縹の絹の帯を 引帯なす」という一節があり、水縹の色名で詠まれていることがわかる。水縹が後に水色になったといわれる。恋は水色…。無色透明の水は青空や陽射しが反射し、海底や川底の成分とまじわることで淡く澄んだ青色にみえるようになる。
C45 M0 Y6 K0
薄紅赤(うすべにあか)
日がやわらかく、のどかに照っている春の陽射しにぴったりの薄紅赤。濁りの少ない明るく華やかな色。♪春のうららの墨田川…でおなじみの「花」に出てくるように、♪櫂のしずくも花と散る、舟をこぐ櫂からしたたるしずくも桜の花びら。そんな心がおっとり、ゆったりしている麗らかな桃色近い色をあらわしている。
C0 M40 Y30 K0