寄稿者:橋本繁美
西大路通は、昭和初年から10年代までに都市計画道路として完成した幹線道路で、京都市街の外郭線として昭和18年に完成。特に、市電が全通し、北大路通、東山通(東大路通)、九条通の東西南北をつなぐ大幹線となったが、昭和53年、市電全線廃止によって姿を消したが、クルマ社会において重要な役割を果たしている。
北は、金閣寺、わら天神、平野神社と名所も多く、立命館大学や洛星中高のヴィアトール学園などもある。まずは、南から歩いてみよう。西大路十条を少し下がったところに吉祥天満宮がある。ここは、朱雀天皇が菅原道真を尊崇して勅祀した初の天満宮で、建立は934(承平4)年。また遺唐使だった道真の祖父が船で唐へ向かう途中、海上で霊験を得たという吉祥天女を帰国後、自ら刻み祀ったのがはじまりといわれている。硯碑、本殿、舞楽殿のほか吉祥天女堂がある。この時期は金の牛、白馬、みごとな葉ボタン、初詣で賑わう境内。春季大祭の4月25日、夏季大祭の8月25日には六斎念仏が奉納される。春には桜がみごとで、夏は蟬しぐれと、自然が楽しめるスポットだ。JR西大路駅から歩いても10分程度。
西大路通を北へ向かうと、すぐにイオン洛南店がある。そして九条通に出ると、JR西大路駅まであとわずか。小さな駅舎ながら利用者は結構多い。駅の西にはワコールさんの本社があり、若い頃から何かとお世話になったところだ。駅の北側には日本新薬さん。こちらはカレンダーで毎年お世話になっている。社会人野球が強いことでも有名。さらに北へ行くと、東に若一神社(にゃくいちじんじゃ)がある。平安末期、平清盛がここに別邸を建て「西八条殿」と称し、紀州熊野の若一王子の御霊を祭ったのが始まりとされる。樹齢800年を超える大樹、楠は平清盛公が手植えされたと伝へられる御神木。まずは参拝して感謝。この神社出身の中村重行さんは、右京区京北のふたつの神社で宮司をされている。