寄稿108 四条の終わりは松尾大社 / 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

四条通も葛野大路まで来ると、賑やかさは昔とあまり変わらない。京都ファミリーやオートバックス、ここの主役は京都外国大学かな。以前、大学案内でお世話になったところでもあり、海外向けパンフ作成のとき、提携大学の多さに驚かれたものだ。さすが外大、隣には森田記念講堂や附属の京都外大西高等学校がある。かつてトロリーバス(路面電車とバスの長所をもった交通機関)が走っていた記憶がある。

さらに西に向かうと、三菱自動車工業や日新電機本社、梅津段町の交差点を越えていくとサンコールと大手製造企業が続く。ここを越えるとめざすは松尾橋。その前に、信号を右に折れ、土堤を走れば「嵯峨美」でおなじみの嵯峨美術大学がある。たくさんの仲間や先生方でご縁の深い学校だ。嵐電なら車折神社前で降りて、その境内を通り抜け、芸能神社をも通り抜けると学校にたどり着く。嵐山、渡月橋もすぐ隣と行った好環境にある。

松尾橋に戻って、橋をわたれば阪急嵐山線松尾橋の駅があり、大きな鳥居が迎えてくれる。日本一酒造神として名高い松尾大社。日本各地の酒蔵から届いた樽がズラリと並び圧巻だ。4月の松尾祭神幸祭(おいで)と5月の松尾祭還幸祭(おかえり)は桂川を渡る神輿と、多くの祭り人の活気で境内がにぎわう。下京の西大路七条や西京極の祭人たちによって守り継がれてきた祭りだ。やまぶきの花の名所でもある。東の八坂神社から始まった四条通はここ松尾大社で終わる。ありがたい神様で繋がる路だけに、手前に京都府神社庁があるのも納得できる。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。二礼二拍手一礼。