99 私のフォーマル着物

男と着物 - 回想録 -

投稿者:ウエダテツヤ

過去の投稿と重なる部分があるかもしれないけれど、改めて現時点での私のフォーマル着物について投稿してみる。

第一礼装をお持ちでない方も多いと思うけれど、私は黒紋付を誂えた(44 黒紋付と白襦袢を誂えた話)。結婚式で着るためだったのだけれど、それ以外だと祖父の葬儀や息子の七五三など、何度か着用した。あまり着用機会がないものだけれど、何より自分の紋、自分のものというところへの拘りがあったので作って良かったなと思っている。着物、羽織は染め抜きの五つ紋。襦袢は白の絵羽を使っている。ただひとつ違いがあるのは袴である。

本来第一礼装の袴は縦の縞柄なのだけれど、私の袴は横の縞だ。製作意図としてはカジュアルなのかもしれないけれど、(私的には)白黒でフォーマルの雰囲気。もちろんルールで言うとカジュアルだろうけれど、黒紋付の袴をどうしようかなと考えていた時に父から譲り受けた。私にとっては父から譲り受けたことが結構重要で、だから私は勝手にそれをフォーマルとして着用している。

息子の七五三で。母と私と息子。

黒紋付以外の通常フォーマルは無地の縞大島に一つ紋(縫)を入れた着物と、泥染無地に一つ紋(縫)を入れた羽織。袴は無地のポリエステル(nono で販売中のプリーツ)で代用している。

これもルール的には着物や羽織は「無地のお召し」とか言われるけれど触らなければわからないようなよくわからないTPOは守らなくていいかと思って、自社商品で紋付にし、結構気に入って着ている。

ちなみに五つ紋の「色紋付」をお持ちの知り合いもいるけれど私は所持していない。

夏のフォーマルについては以前投稿した通り(60 夏の着物をはじめる その4 袴と私のフォーマル)。五つ紋は持っていないので、その必要性が出た時には冬物で代用するか、スーツを着るか、一つ紋で代用するか、シーンによってどれかにしようと思っていて、今後も作る予定はしていない。

と、いうわけで今のところ冬の第一礼装と夏冬それぞれのフォーマルで事足りている。今の世の中、フォーマルで着物を着るというのは一般的ではないと思うけれど、もしもお考えの方がいらっしゃったら何かの参考になればと思う。読み返してみるとルールどころかオリジナリティ満載で参考にならないかもしれないなと思っているけれど。すみません。

ようやくカジュアルキモノは自由でいいんだよという考えが少しずつ浸透してきた昨今で、フォーマル着物を語ろうとすると様々な考えが交錯する気はするけれど、私としては「柄がない」「羽織に紋がある」「第一礼装か否か」「会の意図や独自のドレスコードの有無」というところがポイントではないかと勝手に解釈をしている。マナー講師でもフォーマル屋さんでもないので、こういう人もいるのだなと言う程度に留めておいて頂ければと思う。