寄稿40 奄美の海に魅せられて(続)

奄美探訪記と大島紬寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

ダイビング(スキューバーダイビング)を楽しむためには、ちゃんと潜るライセンスが必要となる。そのためには奄美のダイビングスクールに通うしかない。実技をかねて日数は4日間。大嶋さんは日程の調整がつかず、1週間後に奄美で取得することになり、まずは、上田さん、地元の谷崎さん、私の三人でスタートした。

朝はやくホテルを出て、道沿いにある○○商店で昼食用の弁当を買ってダイビングスクールへ。必要な機材を積み込んだ白いモーターボートに乗り込み、近くの離島に到着。浅瀬の砂浜で、まずはシュノーケリングやフィン(足ヒレ)など、機材の使い方や潜り方の基本を練習。照りつける太陽の下、透き通った奄美の海に入っているだけでワクワクドキドキ。何もかも別世界のように思えた時間だ。さすがタンクを背負って泳ぐのはキツイところがあったが練習を終えるとお迎えのボートがやってきた。シャワーを浴びて着替えが終わると、2時間の講習を受ける。実技の疲れか眠気が…。あかん、あかんと頬っぺを叩きながら講義に集中。終了してホテルに戻り、夕食は郷土料理の店へ。そこには、前田さんをはじめ、地元のみなさんが歓迎会をもうけてくださった。おいしい料理にうまい酒。次は屋仁川のネオン街へ連れてもらった。

翌朝も同じく、弁当を買ってダイビングスクールへ。この日からはボートに乗って、ダイビングスポットで実技の練習。30分ほど船に揺られながら目的に到着。といっても、まわりは青い海のみ。まずはマスクを海水で曇らないように洗い装着。次にタンクと重しをつけて準備OK。そして船から後ろ向きに潜水、このときマスクを片手で抑えながらジャブーン。これが気持ちいい。入った瞬間は水泡だらけだったが、そこには、インストラクターなる先生や仲間の姿が待ってくれていた。水深10メートルほどだろうか、見上げれば乗ってきたボートの船底と太陽のきらめきが水中を照らす。ダイビングの基本は、必ずバディ(ダイバー同士で2名1組)でダイビングを行う。私のバディは上田さんだ。よろしくお願いしますとサインをおくる。

美しい魚たちやサンゴ礁がまるで歓迎してくれているように見える。水中では話せないので水中用の小型ボード(書き消しができる白板)で解説や指示をうける。昨日、習った「耳抜き」(圧力を受けた鼓膜を元に戻す)もできている。水中で浮力を操る「中性浮力」の挑戦もした。不思議だ、水中で呼吸しているのはとても新鮮な感覚だ。見るもの、感じるもの、すべてが初体験。気になるタンクのエアーはまだたっぷりある。私の場合、興奮すると息づかいが荒いのか、みんなよりも大きな気泡となって上に消えていく。だいじに使おう。水中で渡されたソーセージを小さくしてみると、可愛い魚、クマノミたちが寄ってくる。楽しい。面白い。海の中は別世界だ。

連日の実技は、実に楽しかった。すべて知らない世界だけに、一気にダイビングの魅力にはまっていった。そして、いよいよ試験の日。連日の夜、アルコールの海を泳いだ結果、86点で合格。上田さんは94点、後から一人で受験した大嶋さんはなんと満点。みなさん、ちゃんとホテルで復習、予習、勉強していたんだ。呑み助反省、「あ~恥ずかし」。でも、ライセンス(PADI)取得はうれしかった。(つづく)

ダイビングに夢中