日本の七十二候 梅子黄(うめのみきばむ)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

芒種 末候

梅の実が熟して色づくころ。早春を告げる梅の花、『万葉集』では桜よりずっと多く詠まれている。それだけ日本人に愛されてきた花と言える。現在では食用としての実梅と、花を鑑賞するための花梅に分けられ、多くの品種があるそうだ。花ざかりの2月、鶯鳴いた春の日、5月6月には田植えも終わり、梅雨を迎えるころとなれば、梅の実が黄ばんで熟す。完熟した梅は、砂糖と一緒に煮るとおいしいジャムに。店頭にも、梅干し用や梅酒づくり用にと、立派な青梅が並ぶ季節だ。(新暦6月16~20日ころ)